VS Code で WordPress のテーマを快適に開発したい – リンター・フォーマッターの導入(2025年版) - 大島武宜

以前にまとめた環境について phpcs が動作しなくなっていたので新しく整備しなおしました、の作業メモ。設定手順も少なく・簡単になっていました。

以前の環境での問題

phpcs によるリアルタイムなエラー表示がされない。
VS Code の PROBLEMS タブ(⇧⌘M)にもエラー表示がされない。
ターミナルでの vendor/bin/phpcs --standard=WordPress bar.php は正しく動作する。

WordPress Coding Standard を新規インストール

公式で案内されている方法で最新のパッケージをインストールします。プロジェクト単位で GitHub で管理したいので、--dev オプションをつけます。

❯ composer config allow-plugins.dealerdirect/phpcodesniffer-composer-installer true
❯ composer require --dev wp-coding-standards/wpcs:"^3.0"

インストール後に利用できるルールセットを確認。WordPress のルールセットがすでに追加されていました。

❯ vendor/bin/phpcs -i
The installed coding standards are MySource, PEAR, PSR1, PSR2, PSR12, Squiz, Zend, Modernize, NormalizedArrays, Universal, PHPCSUtils, WordPress, WordPress-Core, WordPress-Docs and WordPress-Extra

VS Code のプラグインを追加

リアルタイムでのエラー表示や、ファイル保存時の自動フォーマットのため、以下のプラグインを追加します。

PHP Intelephense 強力なコード補完やコードジャンプで PHP でのコーディング作業に欠かせない拡張機能。stubs を追加することで WordPress 関数も補完・コードヒントが効くようになります。
phpcs (shevaua.phpcs) エラーをリアルタイムに表示するため追加。
phpcbf (simone-baldini.vscode-phpcbf) ファイル保存時にコーディングスタンダートに準じたルールで自動整形するために追加。

❯ code --install-extension bmewburn.vscode-intelephense-client shevaua.phpcs simone-baldini.vscode-phpcbf

phpcs・phpcbf のパスを通す

phpcs は vendor/bin/phpcs で通りましたが、phpcbf は vendor/bin/phpcbf だとエラーとなり、実行されませんでした。

PHPCBF: spawn vendor/bin/phpcbf ENOENT. executablePath not found.
executablePath not found.

相対パスで ./vendor/bin/phpcbf とすると実行されました。

最終的な .vscode/settings.json

こんな感じになりました。

settings.json

{
  "editor.formatOnSave": true,
  "intelephense.stubs": [
    "Core",
    "date",
    "json",
    "mbstring",
    "standard",
    "pcre",
    "wordpress"
  ],
  "[php]": {
    "editor.defaultFormatter": "simone-baldini.vscode-phpcbf"
  },
  "phpcbf.executablePath": "./vendor/bin/phpcbf",
  "phpcbf.onsave": true,
  "phpcbf.debug": true,
  "phpcs.standard": "WordPress",
  "phpcbf.standard": "WordPress",
  "phpcs.executablePath": "vendor/bin/phpcs",
}

確認

VS Code を Reload Window してから、

WordPress コーディング規約による自動エラー検出がされること
ファイル保存時の自動整形されること

を、WordPress コーディング規約でエラーとなるインデントが崩れた・エスケープすべき記述を含むコードで試します。

<?php
if($post  ){ // Expected 1 space after closing parenthesis; found 0 と怒られる.
echo home_url(); // All output should be run through an escaping function. と怒られる.
  } // Line indented incorrectly; expected 0 tabs, found 2 spacesphpcs と怒られる.

↓ home_url() を esc_url(home_url()) としてエラーを解消し、保存。自動整形されることを確認する。

<?php
if ( $post ) {
	echo esc_url( home_url() );
}

とても・気持ちが・いい。